まだ残暑がひどい上にざんざんぶりの雨と来てはとても秋という気分にはなれませんが、今朝は小学生たちが手に手に夏休みの宿題を持って元気に登校していきました。
もう早いもので今年も9月まで進んでまいりましたね。

9月といえば花札でも菊の模様ということで分かるように、9月9日は「重陽の節句」一名菊の節句があります。

お節句は五つあって、一月七日の七草の日が「人日」、三月三日のお雛様が「上巳」、五月五日の子供の日が「端午」、七月七日が「七夕」、そして九月九日の菊の節句が「重陽」です。

「九」という数字は奇数である「陽」の数字の中では最大の数。それが九月九日と二つ重なるため「重陽」というそうです。

菊はご先祖様に手向ける花として一年中欠かせないため、今では年がら年中店頭にありますが、もともと秋の花であることは皆様ご存知かと思います。
古来中国ではこの日長寿の妙薬といわれたこの菊の花びらを浮かべた美酒を酌み交わし、季節を味わったとか。その習慣は平安時代に日本へももたらされ、平安貴族たちもこの優雅な習慣を楽しみました。

菊といえば山形名産の食用菊「もってのほか」が有名ですが、こちらは10月下旬ころからの収穫だそうです。

きものの世界では菊は「日本の花」として桜と並び一年中用いられる模様素材ですが、ことのほかこの九月は季節にぴったりのモチーフです。
ぜひ今月は秋草をあしらった菊の模様の装いでお出かけになられてはいかがでしょうか？

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