岐阜県で作られる美濃和紙に、三重県伊勢市で型紙を彫り出して極細かい模様を染め出した江戸小紋。武家から発祥して庶民にまで愛された江戸小紋のお話を致しましょう
■江戸小紋の成り立ち
武家方で裃に細かい模様を染め出してその贅を競ったのが江戸小紋の始まりです。初期には比較的大きな模様が使われていましたが、幕府から規制が入り、遠目には無地に見えるほど細かい模様が作り出されていったのです。
そのため、大名家にはそれぞれ「定小紋」と呼ばれる定めた模様があります。大小の正方形を組み合わせた徳川家の「お召し十」、極小の点々を渦を巻くように並べた紀州徳川家の「鮫」、極細い縞模様の加賀前田家の「万筋」などが有名です。
武家から発祥した江戸小紋には、ちょっと見わからないけれど近くへよってみるとアッと驚くような粋で洒落の効いた模様が生まれ、その精神は誠に江戸っ子の小さい物好みにぴったりとマッチしたのです。
江戸の庶民の間に急速に広まりそれからずっと愛され続けているのです
■江戸小紋の三役と格
極小の点々を渦を巻くように並べた「鮫小紋」、極小の正方形が立て横を揃えて並んだ「角通し」、極小の正方形が互い違いに整列した「行儀」は「江戸三役」と呼ばれ、特に格の高い江戸小紋として扱われます。
紋を入れることができ、色無地と同格の着物としてお茶会や法事、卒入学式などでも着る事ができます。
↑加賀百万石の定小紋、江戸小紋三役の内「鮫小紋」
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