「おはしょりがすっきり決まらない」というのはいつでも着付けの大きな悩みですよね。
反対に「今日はおはしょりがすっきり決まった!」という日は外出時もなんとなく弾んだ気持ちになります。
江戸時代初期までは上の図のように着物は対丈で着ていました。(「湯女図」)
帯の巾も細くて、とても自由で活動的な感じですね。
江戸時代中期になると着物の丈はずっと長くなり、屋内では女性は着物を引きずって着るようになって来ました。外出のせいにはしごき(紐)でたくし上げたり、褄を取ったりして歩くのです。今でも芸者さんや舞妓さんは引きずりの着物を褄どって歩いていますね。
つまりおはしょりは帯の下に常駐するのではなくて帯とはかかわりのないフレキシブルな存在だったのです。
さて、明治に入ると洋装が入ってきた影響で、すっきりと着て活動的にと言う要求が出てきたのでしょうか?女性が外出する機会もぐっと増え、家の中から裾をたくし上げなくてもすぐに外に出られる姿が機能的と判断されたのでしょうか、しごきでたくし上げていたおはしょりは帯で上から常に押さえつけるようになりました。
しかし、ではなぜ又対丈の着物に戻ってしまわなかったのか??という疑問が残りますが、これはあくまで憶測に過ぎないのですが、おはしょり分を取って長く仕立ててある着物は着る人の身長に巾がもてることがその原因の一つではないのでしょうか。
もし自分の娘が自分より少し背が高くても、仕立て直さずちょっとおはしょりを調節するだけできることができます。人に貸したりするときも同様です。昔、衣類は現在とは違って大変に貴重で大事なものでした。それこそ質屋さんへ持っていけばたくさんお金を貸してくれる財産だったのです。今質屋さんにジーパンを持っていったってお金なんか貸してはくれません(w)一枚の着物は何代にもわたって着用され、何人もの人が袖を通すものだったのです。だからこそおはしょり分を取って仕立ててある着物はそのニーズに合ったものだったのではないのでしょうか?
もう着なくなってしまったあなたの大事なお着物を
待っていらっしゃる方がいます…
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