今年の夏は暑かったけれど、浴衣を来て、花火を観て、かき氷を食べて・・・。なんだか、もう遠い日のことみたいに、玄関の下駄が夏の忘れ物のよう。みなさんは、今年の夏はいかがお過ごしでしたか?
さて、「着物を着るのは好きだけどしまうのが面倒」という人は案外多いのではないでしょうか?特に夏は汗をたくさんかいていますから、夏の着物をしまう時は十分なお手入れが必要。
上手にしまうと、着物が派手になったなあ、なんていう時には、高く買い取ってもらえるかも。 それが、次の着物を買う時のタシになってくれたりしたら、うれしいですね。
今回は上手なしまい方をご紹介しましょう。
「着物に馴染むにはまず浴衣から」と言われるように、浴衣は手軽に着ることができますし、お手入れも簡単です。(下記は一般例です。浴衣についている取り扱い絵表示をよく見てくださいね。)
① 軽くたたんでネットに入れて洗濯機で、「おしゃれ着洗い」などのコースで洗いましょう。
干す時は着物ハンガーに干すと型崩れしません。
② アイロンは中温・ドライでサッと当てると、パリッとしあがります。
プリント柄の部分を高温で当てるとテカってしまいます。
(ただし、有松絞りなどの絞りの浴衣はアイロンを当てないで手で伸ばすだけにしましょう)
③ アイロンの熱が冷めてから、たたんで収納です。
絽や紗に限ったことではありませんが、着物は脱いだら、着物ハンガーにしばらく吊るしておきましょう。タペストリーみたいにキレイですよ。吊るした時に、着物全体を毎回チェックしましょう。
着物で食事などの時は洋服では気がつかない袖の振る舞いに気をつけましょう。ちょっと色っぽく振舞う・・・とわりと袖が汚れませんよ。どうしても汚してしまう!と恐れている人は撥水加工済みの膝掛けなどを使うといいでしょう。それでも、うっかり!食べこぼしなどで、シミ・汚れがついた時にあわてて、水にぬらして擦ったりしないでくださいね。水にぬらし30分以上たつと 絹は縮みますよ。汚れをおとそうとして、濡らすと余計に汚れが広がり大変なことに・・・。
★ そんな場合は、あわてないで厚手のタオルなどを汚れた箇所の裏に当て、柔らかく綺麗な布で上からとんとんと汚れを押し出すようにやさしくたたいて当て布に出来るだけ素早く吸い取らせます。汚し屋さんはバッグにタオルハンカチを入れておきましょう。後は、出来るだけ早く着物の染み抜き専門業者に出すことをお勧めします。その時は、処置法・染み抜きの料金を前もって聞いておきましょう。生き洗い→染み抜きなど、場合によっては思わぬ金額が掛かることも!
9月になれば、もちろん、たたんで収納です。
収納する時は、たとう紙に着物と帯を別々に入れます。もし着物を買った所がいいところならば (例えば、高島屋) たとう紙も丁寧に取っておいてください。 (買取りに出すとき、高く評価されます)
着物を収納する際、金糸・銀糸を使ってある着物や袋帯などでは、防虫剤の使い方も注意してください。基本的には、絹製品には虫は食わないと言われています。しかし念を入れて、防虫剤を入れる場合は、たとう紙の外側、箪笥の隅に1~2個程度にしておいてください。
★ 間違って、たとう紙の中に必要以上防虫剤を入れると、金糸銀糸が化学変化を起こし変色など大変なことに!現在の住宅事情を考えると、気密性が高く、湿気もこもりがち。防虫剤が溶け出して着物にべったりくっつくこともありますので、どうぞご注意くださいね。
収納は和ダンスが一番ですが、ちょっと存在感がありすぎ、という人は通販などで桐の箱を売っていますので利用してもいいかもしれません。
きちんとたたんだ着物が、白いたとう紙に包まれタンスにしまわれている様子はとても清らかです。そして、そんな清らかなにしまわれていた着物を見ると、持ち主の心映えが感じられて、つい高めに評価してしまいます。又、大事に使ってもらえたことが感じられると、売り手の一人としても、やはりうれしくなってしまいます。
大事に着て、大事に収納してください。